そのドアを通る際に、ドアが開かなったり反応が遅くて開くまで時間がかかったりすることはないですか?また、誰も通っていないのに開いたり閉まったりしているのを見たことはありませんか?
今回は、そんな自動ドアの仕組みをお伝えし、反応しない場合の原因と勝手に開いたりする原因についてご紹介します。勝手に自動ドアが開閉するからといって幽霊が通っているなんて思っていたあなた、しっかり仕組みを理解することで原因が分かるかと思いますのでぜひ参考にしてみてください。
勝手に開くのはなぜ?
自動ドア周辺にだれもいないのに扉があくという話は意外に多く、不気味で不安だといった声もちらほら聞こえます。実際に幽霊が通っているわけではないとしても、自動ドアが勝手に開いてしまう現象を、業界用語では実際に「幽霊現象」と呼ぶそうです。主な理由としては以下のような例が挙げられるそうです。
・風の流れに反応・鳥や昆虫などの生き物に反応
・自動ドアのセンサーが届く範囲に張られたクモの巣に反応
とにかくセンサーに何かが反応して開閉しているということになります。しかし、実際にそのような現場に遭遇した人は、風があるか否かは体感でわかりますし、昆虫やクモの巣なら目視もできるはず。何に反応したかわからないけど自動ドアが開いた、という経験をお持ちの方もいるようです。物理的な理由が見当たらないのに「幽霊現象」が起きる場合もあります。
自動ドアの種類によっても原因が変わる
・20から30年以上前の自動ドア現在の自動ドアとは違って、20~30年以上前の自動ドアは、「足踏みマット式」と呼ばれる仕組みで開閉していました。自動ドアの前に敷いたマットを人間が踏んだ時、人間の体重を感知して、ドアが開くという仕組みです。
重量検知式のため、体重の軽い子供がマットを踏んだ場合は、開扉が上手くいかなかったという例もあるようです。この時代の自動ドアは重みを感じないと開かない仕組みなので、マットの上に何も乗っていないのにドアが開いたときには、幽霊が理由だと考えられても不思議ではありませんね。
・現在の自動ドア一方、現在の自動ドアにはセンサーが導入されています。人が近づいたことをマイクロ波や赤外線で感知して開扉します。ボタンを押すタイプでなく、タッチするだけの自動ドアにも、センサーシステムが導入されています。センサーの中では「光線式」「熱線式」という二種類が代表的です。
光線式では、床面が反射する光の量と物体が反射する光の量の差を検出することによって物体の存在を認識し、ドアを開きます。この場合、小さな虫や雪によって光線の反射量が乱れることにより、他の物体の光を間違えて反応してしまうのです。
一方熱線式では、床の表面温度と物体の温度差を検出することで開扉を行います。こちらのタイプの場合、空調などで発生した温度差のある空気と床面との温度差を検知してしまった結果、間違ってドアが開いてしまうことがあるようです。
このような現代式の自動ドアが誤作動を起こして勝手に開いてしまうケースは、虫や風だけでなく、外を走っている車などが発生させる電波や、センサーの汚れが付着していることも、幽霊現象が発生する理由の一つとして挙げられます。
自動ドアのガラス面に貼り付けているチラシなどが風ではためいたときにセンサーに感知される例もあるようです。また、自動ドアの可動域の床面にとりつけられているガイドレールと呼ばれる溝も誤作動のポイントです。ホコリやゴミが詰まっていると、勝手にドアが開閉してしまうことがあります。
勝手に開く自動ドアへの対処法
基本的な対策
・ドアの周辺に物を置かないセンサーにひっかからないよう、鉢植えやのぼり、風船、しっかりと固定されていないチラシなどをドアの周辺から撤去しましょう。
・ドア周辺をよく掃除するホコリやゴミ、蜘蛛の巣などが周辺にある状態では、ガイドレールやセンサーの働きによって開扉が起こることがあります。自動ドア周辺はいつもきれいにしておきましょう。ときどきセンサーの汚れを掃除すると、誤作動防止にいっそう役立ちます。
解決しない場合は業者に相談
周辺のものを撤去したり掃除をしたりして自分で対処しても事態が改善されない場合は、業者に相談するようにしましょう。センサーそのものが故障を起こしている可能性も考えられるので、原因を診断してもらい、修理をしてもらいましょう。
まとめ
自動ドアが勝手に開く「幽霊現象」について理解していただけたでしょうか?なかには本当に迷宮入りしてしまうケースもあるようですが、多くの原因は環境やセンサーにあるのです。誰も近くにいないにもかかわらずひとりでに動き出す自動ドアは、周辺においてある物を移動させたり、念入りに掃除をしたりして対処してみましょう。それでも改善しない場合は、プロの業者に依頼して、修理をしてもらいましょう。
入り口に自動ドアが設置されている店舗では、真夏や真冬など気候が厳しい季節には店内外で気温差がある場合が多いです。そんなときにやたらに開閉されては、空調の冷気や暖気が外へ逃げてしまい、空調の効率が悪くなるだけでなく、電気代が余分にかかってしまいます。
また、マンションなど住宅の入り口に設置された自動ドアは鍵で開けるタイプのものが多く、誤作動で開閉しやすい状態では建物全体の安全性が下がります。マンションの自動ドアは外気と内気を区切るというよりも、本来セキュリティ面を向上させるためにつけられているものでもあるので、なおさら早期の対策が必要になります。
心霊現象じゃないから大丈夫だと思わずに、自動ドアを設置した本来の目的が達成できるよう、自動ドアの不調は早めに対処しましょう。