自動ドアは、利便性がよくバリアフリーやエコにもなります。そのため、多くの場所で使われています。しかし、使っているうちに「開かない」「勝手に開閉する」などのトラブルが起こる場合もあります。
これらのトラブルが起こると焦ってしまうかもしれません。自動ドアの修理は基本的には修理をしてくれる業者に依頼するものですが、簡単なエラーであれば自分で解消することができるものもあります。
そこでここでは、自動ドアでよくあるトラブルと、その対処法についてご説明します。自動ドアのトラブルにお悩みの方は、ぜひ試してみてくださいね。
自動ドアで起きるトラブルと原因と対処法
自動ドアでトラブルが起きた場合は、そのトラブルに応じて原因が変わってきます。トラブルを解決するために、まずは以下の対処法を試してみてください。もし、以下の対処法をそれぞれ実施してみても直らないという場合は自動ドアを修理してくれる業者に相談してみましょう。
1.ドアが開かない
自動ドアが自動でも手動でも開かない場合は、錠がかかったままになっているか、扉のレールに異物が挟まっていることが考えられます。錠を外すまたは、扉のレールのものを取り除いてください。
2.ドアが閉じない
ドアが手動でも閉じることができない場合は、センサーが誤作動を起こしている場合があります。センサーの汚れを取り除いてみてください。汚れを取り除く際は、センサーを傷つけないようにハンカチでそっと拭き取ってください。
3.手動では開閉が可能
自動ではドアが開閉できないが手動では開閉ができるという場合、電源が切れているおそれがありますので、ブレーカー等が上がっているかチェックしましょう。
4.開閉を繰り返す(途中で止まる)
自動ドアはセンサーに反応して開閉します。そのため、人がいないのに開閉を繰り返す場合は、近くにセンサーに反応しているものがあることが考えられます。
近くに動いているものがないか確認してみましょう。たとえば、ポスターなどの紙や、落ち葉などがあります。まれに、風にも反応することがあります。
ガイドレールに異物が挟まっている場合にも、それに反応して途中で閉じてしまう場合があります。また、途中で止まってしまう場合も異物が挟まっていることが考えられるので、ガイドレールを確認してみてください。
5.異臭や異音がする
異音がする場合は、ガイドレールに異物が挟まっている場合が多いです。その場合は、ガイドレールの異物を取り除いて掃除をしましょう。また、長年使っていると劣化してきて異音がする場合があります。
「異物が挟まっていないのに異音がする」という場合は、掃除してから潤滑剤を塗ってみましょう。潤滑剤はインターネットの通販サイトやホームセンターで購入することができます。
焦げたような異臭がする場合は、自動ドアを動かすモーターが燃えている場合があります。すぐに電源を切って業者に依頼してください。
6.ゆっくり開閉する
ガイドレールに異物が挟まっている、スピード調整機能が悪いことが考えられます。ガイドレールに異物が挟まっている場合は取り除き、スピード調整機能が悪い場合には、調節しなおしてみてください。
ここまで、よくある自動ドアのトラブルと解消方法についてご説明してきましたが、上記の方法でも解消しない場合は自動ドアのパーツが故障・劣化している場合があります。その場合は自分で直すのは難しいので、業者に依頼しましょう。
不具合が原因でない場合も……
不具合が原因でない場合も反応しにくくなることがあります。具体的には、以下のような場合が該当します。
- ・暗い色の服を着ている場合
- ・化学繊維や革製品の服を着ている場合
- ・急いでドアに駆け込んだ場合
じつは自動ドアというのは黒いものに反応しにくいです。そのため、服装や髪色が黒い場合は自動ドアの反応が鈍くなってしまいます。また、化学繊維や革製品は反応しにくいです。反対に、明るめの色や綿、麻などを着るとすぐに反応する造りになっています。
また、急いでドアに駆け込んだ場合は、そのスピードにセンサーが間に合わずに感知することができません。自動ドアが開かないことに気づかずに衝突してしまうおそれがあるので、駆け込むのは避けたほうがよいでしょう。
自動ドアの仕組みとメリットについて
そもそも、自動ドアの仕組みはどのようになっているのでしょうか。ここからは自動ドアの種類やそれぞれの仕組み・メリットについてご説明します。
自動ドアの種類とセンサーの仕組み
自動ドアは、「引き戸」「二重引き戸」「円形戸」の3種類があります。
引き戸は、横にスライドして開く自動ドアです。最も一般的な種類で、スーパーマーケットやマンション、コンビニエンスストアなど多くの場所で使われています。
二重引き戸は、引き戸が二重で使われている自動ドアです、幅の狭いドアを二重にすることで、開く部分の幅が広くなるため大きな荷物を持っている方や車いすに乗った方でも、スムーズに通過することができます。そんな二重引き戸は、ホテルや空港などに使われています。
円形戸は、その名のとおり円形に区切られている自動ドアです。建物の外部と内部を区切ることができるので、外の風が室内に入ってこないため、室温を一定に保つことができるメリットがあります。病院やショッピングモールなどで使われています。
これらの自動ドアには、以下の3つのセンサーが付けられています。
・起動センサー
起動センサーは、自動ドアを動かすためのセンサーです。起動センサーにも種類があり、「反射式・電波式」と「タッチ式」があります。
「反射式・電波式」は赤外線や電波の反射率の変化によって、人を感知してドアに接触することなく開きます。また、「タッチ式」はボタンにタッチすることで開けるタイプと、手をドアに近づけることで開けるタイプがあります。
・補助センサー
補助センサーとは、自動ドアを通った人がドアに挟まれないように開きっぱなしにするセンサーです。光電式、光線反射式、超音波式といって感知のしかたは自動ドアの種類によって異なりますが、センサーが人やものを感知しているときはドアが開いた状態になります。
・保護センサー
人がドアにぶつかることを防ぐセンサーです。人が近づくとセンサーが反応して自動ドアが開きます。ドアが閉じようとしているときに近づいても、閉じるのが止まって開くようになっています。
自動ドアを導入するメリット
自動ドアの導入は、主に以下の3つのメリットがあります。
- ・利便性がよい
- ・バリアフリー
- ・エコ
ひとつ目のメリットは、利便性がよいことです。両手が荷物でふさがっているとき、わざわざドアを開けることは大変ですよね。自動ドアを導入すれば、ドアを開ける手間を省くことができるのです。
また、バリアフリーにもなることもメリットです。車いすに座った方、松葉づえをついている方などは、ドアを開けるのが一苦労ですよね。自動ドアを導入することで、ドアを開けるのが大変な方も簡単に室内に出入りすることができます。
自動ドアを導入することはエコにもなります。「ドアを開けるのが面倒だから開けっ放しにしておこう」という場合、もしエアコンを使っていたら一向に温度が定まらず、余分に電気を使うことになります。自動ドアを導入すれば、ドアを開ける手間もかかりませんし、余分に電力を使うこともなくなります。
日ごろのメンテナンスで故障を防ごう!
自動ドアは大変便利です。ただ、機械なのでどうしても故障してしまったり劣化したりします。そうなることを防ぐためにも、日ごろからメンテナンスしておくことが重要です。日ごろから以下のメンテナンスをおこなっておきましょう。
- ・ガイドレールを掃除する
- ・センサーの汚れを拭き取る
ガイドレールに異物が挟まることで、自動ドアが開かない、異音がするなどのトラブルを引き起こすおそれがあります。そのため、ガイドレール内の異物や汚れを掃除機で吸いましょう。
起動センサーや補助センサーは汚れていると正しく人を感知することができません。そのため、定期的に掃除する必要があります。とくに雪や雨が降った後には感知しにくい場合があるので、吸水性のよいマイクロファイバーの布でそっと拭き取ってください。
また、起動センサーがタッチ式の場合は、電池が入っているので電池が切れていないかを確認しておきましょう。起動センサーは反射式・電波式の場合はドアの上にあり、タッチ式の場合は、ドアについているボタンや手をかざす部分がセンサーになります。
自動ドア修理はプロに任せよう!業者の選び方
自動ドアのトラブルが起きた場合、自分では解消できずに業者に依頼することになる場合も少なくありません。そこで、この章では自動ドア修理業者の選び方についてご説明していきます。
自動ドアが故障したらどうする?
自動ドアのトラブルが起きたら、業者に依頼する前に先ほどご説明した対処法を試してみてください。それでも解消しない場合は、自動ドアのパーツが故障・劣化していることが考えられます。自動ドアが故障や劣化している場合、修理には専門的な知識や技術が必要なので、業者に依頼しましょう。
業者選びは要注意!優良業者の見分け方
業者を選ぶ際は、以下の点をチェックしておきましょう。
- ・資格を持っている
- ・無料で見積りが可能
- ・保証が充実しているか
- ・実績がある
「自動ドア施工技能士」の資格を持っているかどうかは必ず確認するようにしてください。自動ドア施工技能士は国家資格であり、取得するためには技術や経験が必要なので、これを持っている業者は技術力が高いといえるでしょう。
また、できるだけお得に業者に依頼するためにも、見積りが無料かどうかも確認しておくことをおすすめします。見積りが無料の業者を選ぶことで、より多くの業者から相見積りを取ることができ、自分の予算に合った業者を見つけることができます。
これに加えて、保証内容も確認しましょう。万が一、再び不具合が起こった場合にも無料で対応してくれると安心です。
ほかにも、実績の多さも確認しておくとよいでしょう。実績が多い業者は、それだけ多くの人に選ばれているということなので、技術面でも安心できるでしょう。
業者依頼でかかる費用と安く抑えるコツ
業者に依頼する際は、事前に修理費用もチェックしておきましょう。費用は修理内容によって異なり、センサーの交換なら50,000円~60,000円、モーターの交換なら100,000円、ベルトの交換なら35,000円~50,000円程度です。
また、自動ドアの寿命がきている場合は、交換しなくてはならない場合もあります。その場合はドアの種類にもよりますが、おおよそで50万円はかかることを念頭に入れておきましょう。
このように、自動ドアの修理は数万円~数十万円程度の費用がかかるので、安く修理してもらうには、できるだけ多くの業者から見積りを取ってもらうことが重要です。そうすることで、安く良いサービスをしてくれる業者がみつかるはずです。
まとめ
今回は自動ドアでよくあるトラブルと、その対処法についてご紹介してきました。自動ドアが開かない場合は、まずは原因を特定しましょう。その後、適切な対処をしてみてください。
それでもトラブルが解消しない場合は、自動ドアのパーツが故障していたり劣化していたりしているおそれがあるので、業者に修理を依頼してください。
ただ、自動ドアの修理には多額の費用がかかります。そのため、自分の予算に合った業者を依頼するためにも、複数業者から見積りを取って費用を比較してください。このほかにも、資格の有無や保障内容、実績も確認することで、よりよい業者を選ぶことができるでしょう。