自動ドアの修理や交換を考えたときに、耐用年数や寿命について考えることはないでしょうか。実はこのふたつは同じではなく、耐用年数に達していなくても寿命が来てしまうことがあるのです。
そのため、耐用年数がまだ先だからといって修理や交換を先延ばしにしていると、ドアの開閉ができなくなってしまう危険性があります。少しでも異常があらわれたら、早めに修理をおこないましょう。
本記事では、自動ドアの耐用年数と寿命、メンテナンスについて解説します。また、自動ドアに起こりやすいトラブルや、修理を業者に依頼した場合の費用相場についてもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
自動ドア|耐用年数と寿命の違い!国税庁からの指示
耐用年数と寿命が別物だといわれても、何が違うのかわからないという方のために、まずは自動ドアの耐用年数と寿命の違いについて解説します。
自動ドアの耐用年数とは
自動ドアの耐用年数とは、材質や強度などさまざまな要素を元に計算し、法的に使用可能と予測されている期間のことです。ただし、あくまでも予測であって必ず耐用年数使用できると証明するものではありません。そのため、耐用年数よりも早く自動ドアが故障してしまうこともあるのです。
自動ドアの調子が悪い!劣化と寿命
自動ドアの寿命は、長くても15年といわれていて、耐用年数に加えてドアの開閉回数が関係します。自動ドアは、開閉回数が多いほど壊れやすくなるので、1日に何度も開閉するような場所に設置されている自動ドアは寿命が短くなるのです。
また、海岸に近い場所の自動ドアも潮風などで部品がサビやすいため、寿命が短いといわれています。
自動ドアの修理は自分でできるのか
耐用年数に達していたり寿命がきたりして完全に故障している自動ドアを自分で修理することはできませんが、ちょっとした不調であれば直せるかもしれません。
というのも、素人が直せる不調というのは、自動ドア自体が故障しているわけではないからです。どのようなものなら自分でも直せるかということも含めて、次章で詳しく解説します。
起こりやすい故障・自動ドアのトラブル
自動ドアが動かなくなる前に修理をおこなうことができるように、起こりやすいトラブルについて解説します。なかには簡単に解消できるトラブルもあるので、わずかな変化を見逃さないように、下記のポイントをよく覚えておきましょう。
1.開かないまたは閉じない
自動ドアが開かないまたは閉じないときは、まずスイッチやブレーカーを確認しましょう。メンテナンスや停電時の対応のためにスイッチやブレーカーをオフにしたままになっている可能性があります。電源をオンにしても動かない場合は業者に相談しましょう。
ほかにも、ガイドレールにゴミがつまっていたり、ボタンを押して開閉するタイプのものはボタンが電池切れになっていたりするというケースもあります。ガイドレールとは、自動ドア下部の溝のことです。これらのトラブルは、素人でもガイドレールの掃除や電池交換をおこなうことで解消することができるので、業者を呼ぶ必要はありません。
また、自動ドアは上部にあるセンサーが反応する範囲内に人やものが入ると開くしくみになっています。センサーの範囲内に常に人がいたりものが置いてあったりするとドアが閉じなくなってしまうので、自動ドア周辺の人やものの配置には注意しましょう。
2.変な音がするようになった
自動ドアの開閉時に異音がする場合は、ガイドレールにゴミなどがつまっている可能性があります。きれいに掃除したあと、スムーズに動くように潤滑剤を噴きかけておきましょう。それでも異音がする場合は、別の原因があるかもしれません。すぐに業者に対処してもらいましょう。
3.開閉のスピードが変わった
開閉のスピードが変わった場合は、コントローラーにエラーが出て一時的にうまく作動しない状態になっているかもしれません。一度電源を入れなおして様子を見ましょう。
また、電源を入れた際に開閉スピードが変わった場合は、動作設定の調整によるものかもしれません。3回ほど開閉させて、スピードが元に戻るか確認しましょう。数回の動作で直らない場合は自動ドアが故障しているおそれがあるので、早めに業者に連絡することをおすすめします。
修理にかかる費用相場
自動ドアの修理費用は、修理が必要な部品や故障の程度によって大きく変わります。ドアを調整する程度であれば約10,000円、センサーなどの部品交換が必要な修理は約50,000~60,000円が必要です。
ただし、上記の費用相場はあくまでも目安です。詳しい金額は見積りをとって確認しなければわからないので、気になる方は弊社のサービスを利用して、見積りをとりましょう。
水は使ってもよい?正しい掃除・メンテナンス方法
自動ドアは数多くの部品が使われている精密機械です。そのすべてを素人がメンテナンスすることは不可能といえるでしょう。
しかし、素人でもできる簡単なメンテナンスをおこなうだけでも、自動ドアの寿命を少しのばせるかもしれません。掃除ができる場所や方法、自分でメンテナンスできない部分のお手入れ方法についてご紹介しますので、参考にしてください。
自動ドアの掃除手順と注意点
素人でもメンテナンスができる部分はたくさんあるので、各箇所の掃除方法と注意点をそれぞれご紹介します。以下を参考に、自動ドアの電源をオフにしてからメンテナンスをおこないましょう。
・ガイドレール
ガイドレールには、人が通った際や風などの影響でゴミが入り込むおそれがあります。多少のことであればすぐに故障することはありませんが、放置してゴミが溜まると開閉がスムーズにいかないなどのトラブルの原因になります。ゴミが増えてしまわないように、こまめに掃除機で掃除するようにしましょう。
ただし、石や雪などがつまってしまった場合は、掃除機を使用すると掃除機が壊れてしまうかもしれません。ほうきなどを使って溝から掻き出すようにしましょう。
・センサー
自動ドアのセンサーは、上部に取り付けられているものとドア側面に取り付けられているもののふたつがあります。どちらも表面が汚れてしまうと人やものを検知することができなくなる場合があるので、マイクロファイバーなどの柔らかい布で乾拭きしておくとよいでしょう。
・ガラス面やその枠
ガラスの表面やその周りは、汚れてしまってもその汚れが落ちやすいようにつくられていますが、長年放置すれば汚れは蓄積してしまいます。
一度水拭きで汚れを落としたあと、水拭きの跡も残らないよう丁寧に乾拭きしましょう。ただし、表面が毛羽立ったような布ではガラスなどを傷めてしまうおそれがあります。センサー同様マイクロファイバーなどの柔らかい布を使うのがおすすめです。
・スイッチ
自動ドアには、ボタンを押したり自動ドアに触れたりすることでドアが開閉するタイプがあります。ここでいうスイッチとは、そのボタンや手が触れる部分のことです。
ボタンの場合は電池が内蔵されています。電池切れをしていないかどうかの確認をして、必要に応じて電池交換をおこないましょう。そして、スイッチ表面は多くの人が触れる場所です。衛生面を考慮して、消毒用のアルコールを含んだシートなどで拭き掃除をしておくことをおすすめします。
以上4ヶ所のメンテナンスを定期的におこなうことで、自動ドアが傷むのを多少なりとも抑えることができるでしょう。
そのほか、自動ドアにシールやポスターなどが貼られている場合は、それらが剥がれたり色あせたりしていないかを確認することも大切です。日ごろから点検するくせをつけて、必要があればすぐに劣化したものを交換するようにしましょう。
定期的なメンテナンスで長持ちさせよう
前述の掃除に加えて、業者による定期的なメンテナンスをおこなうことも大切です。業者のメンテナンスでは、表面的な部分だけでなく、ドアを動かすためのモーターやチェーン、駆動装置などの確認もおこないます。
細かい部品や電気系統のメンテナンスまでしっかりとおこなうことで、よりトラブルのリスクを減らして自動ドアを稼働させることができるでしょう。メンテナンスの費用相場は、10,000~20,000円ほどです。少しでも自動ドアを長持ちさせたい方は、業者へのメンテナンス依頼を検討してみましょう。
まとめ
自動ドアの耐用年数は、使われている部品の材質や完成品の強度などから安全に使用できると法的に定められた期間のことをいいます。そして、耐用年数に加えて、使用される環境や開閉回数などを目安に寿命が算出されます。その寿命は長くて15年といわれていますが、メンテナンス次第ではもっと長い期間使い続けることも可能です。
そして、ドアの開閉に異常が出たり異音がしたりするなどのトラブルが起こることがありますが、本体が故障したわけでなければ素人でもトラブルを解決することができます。ガイドレールや電源スイッチの状態などをよく確認して、トラブルの原因を確かめましょう。
また、トラブルが起こらないようにするために大切なのが日ごろの掃除や点検です。ご紹介したような簡単なメンテナンスであれば素人でもおこなえます。こまめに各所の掃除をするように心がけましょう。
ただし、内部の部品の点検や電気系統の調査などは、素人ではおこなえません。メンテナンスや修理が必要な場合はすぐに業者に連絡しましょう。自動ドアのメンテナンスや修理をおこなう業者を知らないという方は、弊社にご相談ください。
弊社には多くの加盟店が存在するので、お住まいの地域やトラブルの内容に応じて、解決に適した業者をご紹介いたします。