普段暮らす中で自動ドアを使用する機会は多いと思います。デパートやレストラン、オフィスビルやホテル、病院やマンションなど使用されている場所は様々です。どこで使用されている自動ドアも同じように見えるかもしれませんが、それぞれの場所に合わせた効果的な自動ドアを使用していることをご存じでしょうか。
自動ドアには様々な効果があり、自動ドアの仕組みや種類も様々です。ここではそんな使用場所によって変わる自動ドアのメリットや効果、仕組みや種類などについて紹介していきます。自動ドアの導入をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。
自動ドアを取り入れるメリット
様々な場所で使用されている自動ドアは、それぞれどのような目的で取り入れられているのでしょうか。まず、自動ドアには「バリアフリー」という大きな役割があります。近づくだけで扉が開くため通常のドアでは開閉に困るという方にも心地よく使用してもらうことができます。
次に自動ドアが担っている役割は「エコ」です。通常のドアの場合、開けたあとはきちんと閉めなければドアが開けっ放しになってしまいます。そうすると室内の温度管理が崩れて電力を多く消費し、エネルギーを無駄に使用してしまいます。しかし、自動ドアを導入することで開けっ放しになることを防ぎ、省エネ効果を得ることができます。
このように自動ドアには大きく2つの役割があります。
自動ドアには設置場所によっても担っている役割があります。たとえばオフィスビルやホテルなど多くの人が出入りする場所で使用されている自動ドアは、大量の人をスムーズに出入りさせてさばくという機能性が必要になります。また緊急時のための備えや耐久性も必要となります。時間による通行管理などセキュリティ面での役割も担っています。
病院などは空調管理が特に大切であるため、外からの空気を館内へ侵入させない機能、また車いすの人などもスムーズに使用できるような機能が必要になります。自動ドアを取り入れることで様々な機能を得ることができます。また設置場所に合わせたものを選択することでより機能性を高めることが可能です。
自動ドアの仕組み
自動ドアがスムーズに稼働するために、自動ドアは大きく以下の3つの構成でできています。
・オペレータ部
オペレータ部は自動ドアの開閉を制御している部分です。動作部、作動部、ドア懸架部からなる駆動装置と制御装置からできています。制御装置はセンサー部から開閉のための信号を受信して駆動装置を制御します。駆動装置は制御装置から開閉の支持を受けてドアを開閉します。
・センサー部
センサー部は人の動きなどを検出してドア開閉の信号を制御装置へ送ったり、人為操作によってドア開閉の信号を制御装置へ送ったりする部分です。
・ドア、サッシ部
ドア、サッシ部は制御したり信号を送ったりする部分ではなく枠やガイドレール、方立、無目などの部分のことです。
自動ドアの種類は大きく3種類
自動ドアと言われた時、どのような形の自動ドアを想像しますか?自動ドアには主に以下の3種類の形があります。
・引き戸
引き戸タイプは扉が左右のどちらかへスライドし開閉されるタイプの自動ドアです。ビルやマンションなどさまざまな場所で見かけることができると思います。引き戸タイプは開いている時にドアを壁などに収納できるため狭い場所でも自動ドアを設置できるというメリットがあります。
・回転ドア
二重引き戸タイプは引き戸が2つ並び、中央から両側へ開くタイプの自動ドアです。二重引き戸は左右へ扉が開くため開口が非常に広いというメリットがあります。そのため大勢の人が通行する場所などに適しているタイプの自動ドアです。車いすの方なども幅を気にすることなく通行することができます。
・回転ドア
回転ドアは円形になった自動ドアが3方向に区切られ、自動ドアが回転する動きに合わせて歩くことで館内へ入ることができるタイプの自動ドアです。ただスライドして開閉する自動ドアに比べて不自由に感じるかもしれませんが、回転ドア最大のメリットは人の出入りをさせながらも外気を取り入れないということです。
回転ドアは建物の内部と外部を遮断し続けながら通行することができます。そのため館内の温度を極力変化させることなく人を出入りさせることができます。病院など空調管理の厳しい場所では特に活躍するタイプの自動ドアです。
センサーの違いもあります
自動ドアを開けるためのセンサーには大きく2種類あります。そのうちの一つが光線反射・電波方式です。この方式は赤外線やマイクロ波といった電波が反射することによって物体を感知するタイプのセンサーです。物体が自動ドアの近くに来たことを感知すると自動ドアの制御部へドアが開くように指示を出してドアを開けます。
2つ目はタッチ方式です。こちらの方式はドアを開けたいと近づいた人自身にボタンやプレートを押してもらい、その信号によってドアが開くタイプです。タッチ方式には実際にボタンを押すタイプとドアへ手を近づけた際にドアが開くという非接触のタイプがあります。
現在自動ドアのセンサーには様々な機能を搭載することができます。エコを重視したタイプのセンサーでは、通行者がドアを通過し終わったかどうかをセンサーで判断し、判断した後はすぐにドアが閉まり始めます。
範囲を設定できるタイプのセンサーでは、入り口付近に立ち寄る場所がある場合など、その立ち寄り所はセンサーに反応しないようにして通行したい人のみに反応するよう設定することができます。またドアへ向かってくる人には反応して扉が開き、横切っただけの人には反応しないタイプなどさまざまなタイプがあります。
まとめ
多くの場所で使用されている自動ドア。場所によって見た目や機能など様々な違いがあります。設置したい場所によって形やセンサーの機能など様々な物を選択しなければなりません。1日にどれだけの人が使用するのか、空調管理はどうなっているのか、ドアの周辺に立ち寄るような場所や物はないかなど様々な条件を考慮したうえでどのような機能を付けるのか、どのタイプの自動ドアにするのかを決めましょう。
そうすることで人の出入りの効率化だけでなく消費電力の抑制などの効果も期待できます。自動ドアの設置を考えているけれどどの種類が設置場所に合っているのかが分からないという方は、業者に相談してみるとよいでしょう。